いつか聞いた話のつづき

今日も小説を書いて考える

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

お墓の前でハグをする(短歌)

描きかけのグラフィックアートにはまたここに集う若者の夜が東京にいながら京都で人を殺すあとはトリックを考えるだけ朝起きてケンタウロスになっていて今日の出社は難しいですクラムボンも爆笑するレベルだろシャリシャリとした舌ざわりがあるゼッケンに書…

喋らない鯖(短歌)

ジャン・リュック・ゴダール観たことない彼とゴダール展に行くようなこと恋人の弁当箱に隠れてたブロッコリーがずっと泣いてた抗体も好感度もない若者の花火の煙ひとけのない東屋この世界の反射青い醤油ざら無人販売の餃子浸しラディカルであることパッシブ…

僕たちの前世が鳥なら(短歌)

まだ明けてない空のこと見てると君のつくった歌まだおぼえていた劣情と潮の満ち干きと沢庵の真ん中をいま黒板消しが忘れたい夏の暑さがすさまじくベランダで全裸だった蝉をコンビニまで行くならアイスをひとつグリーンランド山頂に降雨好きという言葉と吸殻…

虹をわすれること

大切なことなのにキスをしてる途中で思い出したから、すぐにつぶやいて脳に刻むことができなかった。接したままの唇が僕の動きに合わせて動いていた。お互いを食べようとしてるみたいだった。キスが終わって唇が離れたとき、僕は「さやかのことが好き」とよ…