いつか聞いた話のつづき

今日も小説を書いて考える

お墓の前でハグをする(短歌)

描きかけのグラフィックアートにはまたここに集う若者の夜が

東京にいながら京都で人を殺すあとはトリックを考えるだけ

朝起きてケンタウロスになっていて今日の出社は難しいです

クラムボンも爆笑するレベルだろシャリシャリとした舌ざわりがある

ゼッケンに書かれた「MIZUNO」が名前だと思ってたのがいまの彼です

想像の五倍の悪意がこの世界なので検索するのはやめる

あの人「いつ死んでもいい」って言ったけど私がいるのに死ねるの悲しい

消えてしまうことより置いてかれることが嫌なんだ波の花を蹴る

淡々と番号札で呼び出され崖から飛んでいくような日々

あの頃好きだったバンドのホームページ見たよボーカルが代わっていた

それはまだインクが出るか確かめるためだけに書いた手紙であった

青く澄んでいないのが僕で赤黒く滲んでいるのが東京タワー

日記には書かれていないことがある お墓の前でハグをしたこと